アルコール依存症の症状と進行ステージ
アルコール依存症の症状と進行ステージ
アルコール依存症は、習慣的に飲酒することで、自分では気づかないうちに進行していく病気です。
進行ステージ
習慣飲酒
- 晩酌
- 飲み歩き
依存症との境界線
ステージ1 飲酒量の増加と耐性の形成
習慣的な飲酒を続けていると、以前と同じ飲酒量では酔わなくなります。これは、アルコールに対する耐性が形成されるためです。また、人によっては不眠やストレスを解消しようと飲酒量がますます増えていくことがあります。
ステージ2 ブラックアウト
飲酒時の記憶を失うことを「ブラックアウト」と言います。
ブラックアウトは、アルコール依存症の有無にかかわらず飲酒することによって起こりえる脳の軽い記憶障害ですが、頻繁に起こる場合はアルコール依存症の初期症状と考えられるため注意が必要です。
依存症初期
ステージ3 精神依存
習慣的な飲酒が続くと、「ほろ酔いで満足できない」、「ついつい飲みすぎてしまう」、「お酒なしではいられない」など、飲酒のコントロールができなくなる状態になります。この状態が精神依存であり、重篤化すると飲酒にばかり気を取られ、他のことに関心がいかなくなります。
依存症中期
ステージ4 身体依存
常に飲酒していると、脳は飲酒時が通常の状態と判断して機能するようになるため、飲酒をやめると、発汗や震え、不安・イライラなどの離脱症状が出てくるようになります。この状態が身体依存であり、アルコール依存症になると、不快な離脱症状をおさえるためにお酒を飲まずにはいられなくなるという悪循環に陥っていきます。
- 飲酒による問題が目立つようになります
- 飲酒のために嘘をついたりします
- 飲酒が生活の中心となります
- 迎え酒も見られるようになります
依存症後期
- 飲酒により仕事や生活が困難になります
- 家庭や社会的信頼を失います
- 食事をとらずに飲酒をつづけるようになります
- 飲酒により死の危険を指摘されるようになります
アルコール依存症に関連する健康問題や社会的問題、家庭問題は、病気の進行に伴って深刻さが増していきます(下図)。
アルコール依存症は一人で治療していくことが難しいため、気になる症状があらわれたら、その症状を軽視せずに、医師に相談することが大切です。
- Burge, S. K. et al.: Am. Fam. Physician.1999; 59(2): 361-370. (より作成)
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アルコール依存症はより身近な病気になりつつあります。