監修:筑波大学 健幸ライフスタイル開発研究センター長 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学 准教授 吉本尚先生

医療機関での治療

アルコール依存症の治療目標

アルコール依存症の治療目標は断酒を継続することですが、断酒に導くための第一歩として減酒が治療の選択肢になりつつあります1)

また、軽症のアルコール依存症患者さんの場合は、減酒が治療の目標となる場合もあります(下図)。ただし、減酒治療は誰にでも当てはまる治療法ではありませんので、医師と相談しながら治療方針を選択していく必要があります。

断酒を選択すべき患者さん、または断酒治療を希望される場合は断酒を選択し、断酒治療が困難であった場合や、断酒治療を必ずしも必要としない場合は飲酒量低減を選択します。患者さんの健康状態やご希望に応じて回復方法を医師と相談しながら検討しましょう。

文献

  • 1)監修/新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン成委員会. 新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン. 新興医学出版社; 2018. P20-21.

患者さんのタイプに合わせた治療

減酒治療を選択できる可能性のある患者さんタイプ

下記のような患者さんでは、減酒治療を選択できる可能性があります。

  • アルコール関連問題を認識できる理性が保たれており、強烈な飲酒欲求がない軽症なアルコール依存症患者さん
  • 社会・家庭生活が維持できている患者さん
  • うつ病などの併存疾患がなく、臓器障害が重篤ではない患者さん
  • 重篤なアルコール離脱症状(幻覚、けいれん、振戦せん妄など)のない患者さん

減酒治療について詳しくはこちら

断酒を治療目標とした方がよい患者さんタイプ

下記のような患者さんでは、断酒治療を選択した方がよいとされています。

  • 入院による治療が必要な患者さん
  • 飲酒に伴って生じる問題が重篤で社会・家庭生活が困難な患者さん
  • 臓器障害が重篤で飲酒により生命に危機があるような患者さん
  • 現在、緊急の治療を要するアルコール離脱症状(幻覚、けいれん、振戦せん妄など)のある患者さん

断酒治療について詳しくはこちら

お酒のお悩み相談室

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ついつい自宅でお酒を飲みすぎてしまいます

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減酒治療に取り組む患者さん&主治医のインタビュー

アルコール依存症の治療は、専門知識をもった医師によって行われます。医師と相談しながら治療方針を選択していきましょう。

N.Y.さん 吉本先生のもとで減酒治療に取り組んでいる。

吉本 尚先生(N.Y.さんの主治医) 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学 准教授
北茨城市民病院附属家庭医療センターと筑波大学でアルコール低減外来を開設、診療を行っている。

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