監修:筑波大学 健幸ライフスタイル開発研究センター長 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学 准教授 吉本尚先生

減酒治療に取り組む患者さん&主治医のインタビュー

N.Y.さん 吉本先生のもとで減酒治療に取り組んでいる。

吉本 尚先生(N.Y.さんの主治医) 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学 准教授
北茨城市民病院附属家庭医療センターと筑波大学でアルコール低減外来を開設、診療を行っている。

お酒を減らす治療について 治療中の患者さんと先生にお話をきいてみました

減酒治療をはじめたきっかけは何でしょうか?

N.Y.さん

3年ほど前に専門の病院を受診したのですが、断酒と言われ、入院にも抵抗があって治療をあきらめていました。そんなとき、妻がインターネットで吉本先生の「アルコール低減外来」をみつけてくれて、これなら行ってみようと思い、受診しました。治療を受けてみると、私の希望を聞いて治療方針を示してくださるので、やってみようと、はじめました。

吉本先生

実際、「断酒は難しいけれど、減らすことはできそう」という方は多いですね。減酒治療という選択肢があると、患者さんも気軽に受診できるようです。

減酒治療を続けられている理由について教えてください

N.Y.さん

吉本先生のアルコール低減外来での治療は、「やめるのは難しいけれど、少しでも飲酒量を減らしたい」と思っていた私に合っていたんです。優しい雰囲気で私の話を聞いてくれる吉本先生とお会いして、最初の診察で「この先生に賭けてみようかな」と思いましたね。治療の内容を押し付けるのではなく一緒に考えてくださるのが、続けられている理由の一つかと思います。

吉本先生

アルコール依存症は飲酒量や時間をコントロールできない状態といわれていますが、飲酒量を減らせる人がいることがわかってきています。N.Y.さんは、「減らすことはできそうだけれど、断酒は難しいです」とおっしゃったので、「まず減らして、その後に断酒する人もいれば減酒を続ける人もいます。減らしてから、その後について決めていくのはいかがですか」とお話をしました。

減酒治療後の変化やこれからの目標はありますか?

N.Y.さん

以前は満足するまで飲み続けていましたが、受診して1ヵ月くらいでお酒の量が減りはじめ、ときには、お酒が家になければ「仕方ない」とやめられるようになりました。その頃から、よく眠れるようになって気力もでてきました。妻と散歩にも行けるようになりましたし、妻と会話が続くようになりました。

吉本先生

患者さんにもよりますが、治療開始から3ヵ月くらい経過したところで状態を確認すると、そのくらいで変わりはじめる人が多いように思います。気分や体調によってお酒の量が増えたり減ったりしますので、1年くらい経過をみて、お酒の量が安定してコントロールできるようになっているか確認しています。

N.Y.さん

私は治療をはじめて9ヵ月が経ちますが、まだ飲みたい気持ちが高まるときと、飲まなくても大丈夫なときがあります。この気持ちの波を低く抑えて体に害がでない程度に飲む量を落ち着かせたいです。飲まない日ができたらそのほうが良いと思っています。

吉本先生

どんなときも患者さんがお酒との付き合い方を見直すお手伝いをしていけたらと思っています。

  • 上記は患者さん個人の感想です。すべての患者さんで同様な結果を得られるわけではありません。

受診を迷われている方へ

「飲酒をコントロールすることが難しくなってきているかもしれない」と気になる程度で受診してよいのか、お酒の飲みすぎ程度のことを病院で先生に相談してよいのか、と迷うかもしれませんが、気になる方は遠慮せず、専門の医療機関に相談してみてください。

また、アルコール依存症の治療を行っている医療機関のすべてで減酒治療を受けられるわけではないので、ご興味がある場合には事前に確認することをおすすめします。

監修:筑波大学 健幸ライフスタイル開発研究センター長 筑波大学医学医療系 地域総合診療医学 准教授 吉本尚先生

アルコール依存症の治療

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